膜厚測定,分光測定,分光エリプソメトリー,スペクトル解析のテクノ・シナジー

ネオンランプの発光スペクトル

光ファイバー入力のCCD分光器を使用すれば,蛍光鉱石,生物発光,LED光源,蛍光灯,ハロゲン光源などの発光スペクトルを簡単に測定することができます. ここでは,節電タップの通電インジケーターとして使われているネオンランプの発光スペクトルを測定し理科年表でスペクトル線を確認した結果について報告します.

節電タップに内蔵されたネオンランプの発光スペクトル測定

電源のオン/オフが可能な節電タップには,電源のオン/オフ状態を示すインジケーターとしてネオンランプが内蔵されています. 一昔前,電源のオン/オフ状態を示すインジケーターといえばネオンランプでしたが,最近では,LEDが普及し,かつ低価格化がすすんたため,ネオンランプインジケーターが次第に消えつつある状況です.
ここでは,図1の節電タップに内蔵されたネオンランプの発光スペクトルを測定し,理科年表に掲載されているネオンのスペクトル線波長と比較します.

ネオン1図1 ネオンランプインジケーターが入った節電タップ

ネオンランプは,図1のようにオレンジ色に発光します. ちなみに,右上の赤丸は,タップが電源に接続されていることを示すLEDインジケーターです.

図2に光ファイバー入力のCCD分光器を使用した発光分光の装置構成例を示します. 装置構成は単純です.コア径:φ1000µmの光ファイバー先端に集光レンズを取り付けてできるだけ多くの光量を取り込めるようにして,直径5mm程度の領域の発光スペクトルを測定しています.

Neランプ発光スペクトル測定配置図2 ネオンランプ発光スペクトル測定の装置構成例

図3に,図2の配置で測定したネオンランプの発光スペクトルを示します.

ネオン3 図3 ネオンランプの発光スペクトル

太陽や白熱電球のように,ある波長範囲で連続分布したスペクトルを連続スペクトルと呼ぶのに対して,図3のように,とびとびの波長に不連続な輝線を含むスペクトルを線スペクトルといいます.

理科年表には,各種不活性ガスのスペクトル線の波長が記載されています. 図4に理科年表に掲載されているネオンの線スペクトル波長を示します.

ネオン4 図4 ネオンの線スペクトル波長(理科年表調べ)

図3に示したネオンランプの測定発光スペクトルと,図4に示した理科年表調べのネオンの線スペクトル波長を重ねてプロットしたのが図5です. 一部,対応していない発光ピークもありますが,主な発光スペクトル線の波長は文献値とよく一致しています.

ネオン5 図5 ネオンの発光スペクトルと理科年表掲載のネオンの線スペクトル波長の比較

CCD分光器を使えば,ネオンランプのような発光体のスペクトルを簡単に測定することができます. さらに,文献値などの情報と照合することで,発光スペクトルの起源を明らかにすることができます.


前のアプリ 次のアプリ

ページの先頭へ