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厚膜フィルムの膜厚測定
膜の厚さが5µm程度より厚い膜を厚膜と呼びます.分光測定から厚膜の膜厚を決定する場合,膜厚が厚ければ厚いほど干渉フリンジの間隔が狭くなるため,波長分解能が高い分光器が必要になります. また,膜厚が厚いサンプルほど,膜厚の均一性が損なわれるため干渉性が低下します. そのような場合,測定領域が小さい顕微分光システムを使って膜厚測定するのが有効です.
食品用ラップフィルムの反射率スペクトル測定と膜厚計測
食品用ラップは,10µm程度の厚さがある厚膜フィルムです. 一見単なる透明フィルムに見える食品用ラップフィルムですが,顕微分光で反射率スペクトルを測定すると,明確な干渉スペクトルが得られます. しかし,厚膜の場合,膜厚ムラが発生しやすく,短波長側ほど干渉性が悪化して干渉フリンジの振幅が減少する傾向があります. 膜厚分布は,中心膜厚値に対してガウス分布するものと仮定しました.
測定には,顕微分光システム DF-1037を使用しました. 図1に顕微分光システム DF-1037の反射測定光学系の概要を示します.
図1 顕微分光システム DF-1037:反射測定光学系
ここでは,異なるメーカー6社の食品用ラップフィルムの反射率スペクトルを測定し,膜厚と膜厚バラツキを求めました. 測定スポットサイズは,約Φ20µmです.
図2 A社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
図3 B社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
図4 C社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
図5 D社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
図6 E社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
図7 F社製食品用ラップの反射率スペクトルと膜厚および膜厚バラツキ
今回測定した6種類の食品用ラップフィルムの厚さは,約8µm〜10µmの範囲であることが分かりました.
表1 膜厚および膜厚バラツキ測定結果
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