HOME > 徒然「光」基礎講座 > 構造色とは: 8. 円偏光選択反射
構造色とは: 8. 円偏光選択反射
8. 円偏光選択反射
コガネムシなどの甲虫のなかには,左円偏光はその体表で反射するが,右円偏光は反射しないという変わった特性をもつものがあります. この性質を円偏光の選択反射と呼びます. コガネムシの体表は左回りのらせん構造物質で覆われていて,左回りの円偏光だけを反射し,右回りの円偏光は吸収します.
図8-1 円偏光選択反射
8.1 左円偏光と右円偏光
左円偏光,右円偏光の回転方向は,図8-2 のように観測者(カメラ)側から見て定義します. 撮影では,サーキュラーPLフィルターをカメラに装着し,サーキュラーPLの前で1/4波長板を回転させています. 1/4波長板の進相軸がC–PLの直線偏光子の透過軸に対して, +45° (反時計回りに 45° ) 方向のときに左円偏光, −45° (時計回りに 45° ) 方向のときに右円偏光のみがサーキュラーPLを透過します.
図8-2 左円偏光と右円偏光
8.2 アオドウガネ
アオドウガネ(甲虫目コガネムシ科)に円偏光を照射して撮影すると,左円偏光と右円偏光では,同じ個体とは思えないほど色が変わります.
図8-3 左円偏光で見たアオドウガネ
図8-4 右円偏光で見たアオドウガネ
図8-5 左円偏光で見たアオドウガネ体表の顕微鏡拡大
図8-6 右円偏光で見たアオドウガネ体表の顕微鏡拡大
8.3 シロテンハナムグリ
シロテンハナムグリは、,コガネムシ科の甲虫です.円偏光で見てみると,円偏光の選択反射を確認することができます.
図8-7 左円偏光で見たシロテンハナムグリ
図8-8 右円偏光で見たシロテンハナムグリ
8.4 アオオビカタハリカナブン(オス)
パプアニューギニアに生息するアオオビカタハリカナブンのオスです.
(ご協力:高和 宏行 氏)
図8-9 左円偏光で見たアオオビカタハリカナブン
図8-10 右円偏光で見たアオオビカタハリカナブン
図8-11 左円偏光で見たアオオビカタハリカナブン体表の顕微鏡拡大
図8-12 右円偏光で見たアオオビカタハリカナブン体表の顕微鏡拡大
8.5 テイオウニジダイコクコガネ(オス)
アルゼンチン原産のテイオウニジダイコクコガネのオスです.
(ご協力:高和 宏行 氏)
図8-13 左円偏光で見たテイオウニジダイコクコガネ
図8-14 右円偏光で見たテイオウニジダイコクコガネ
8.6 コガネムシとアオカナブン
似たように見えるコガネムシとアオカナブンですが,体表の構造が全く異なることが分かります.
図8-15 左円偏光で見たコガネムシ(左)とアオカナブン(右)
図8-16 右円偏光で見たコガネムシ(左)とアオカナブン(右)
テクノシナジーの膜厚測定システム
膜厚測定 製品ラインナップ
Product
膜厚測定 アプリケーション
Application
膜厚測定 分析サービス
Service